「労働保険」とは、「労働者災害補償保険(労災保険)」と「雇用保険」の総称を言います。これらの保険の給付についてはそれぞれ別々に行われますが、保険料については両保険を1年分まとめて納めます。

「労働保険」は、労働者を一人でも雇っていれば「適用事業」となり(農林水産の一部を除きます)、成立手続きを行い労働保険料を納めなければなりません。なお、「労災保険」は労働時間数等を問わずすべての労働者が加入することになりますが、「雇用保険」は対象者が限定されますのでご注意ください。

※労働者を雇っていなければ「適用事業」とはならず、また、労働者以外の方(事業主や家族従事者等)は給付の対象にはなりません。代表自らが現場で業務を行っている場合や農水産業の方等は労災保険の「特別加入制度」を利用することができます。なお、雇用保険には、同様の制度はありません。

労災保険とは?

労働者が勤務中にケガをしたり、業務中の理由により病気になった場合、通勤中の事故等によりケガや病気になった場合、あるいは亡くなられた場合に、労働者やその遺族に対して必要な給付が行われるものです。

給付の種類・詳細については、こちらをご覧ください→「労災保険給付の種類について

雇用保険とは?

労働者が失業した場合や働くことが困難となった場合、あるいは教育訓練を受けた場合等に、その労働者に対して必要な給付が行われるものです。また、事業主等に対して各種助成金の支給が行われます。

給付の種類・詳細については、こちらをご覧ください→「雇用保険の給付の種類について」

労働保険の成立手続きの方法

労災保険

以下の届出を労働基準監督署へ提出します。(農林水産業・建設業等の場合、ハローワークへの提出が必要になります)
その後、その年度分(成立の日からその年度の年度末(3/31)まで)の保険料を成立の日から50日以内に納付します。

①保険関係成立届

②概算保険料申告書

 雇用保険

上記の①保険関係成立届の提出が終わったら、以下の届出をハローワークへ提出します。

①雇用保険適用事業所設置届

②雇用保険被保険者資格取得届(雇用保険に加入する方全員分)

 

労働保険料の申告・納付

労働保険の保険料は、毎年年度の始めに「4/1~翌年3/31までの1年分の概算額」を算出し、前払いします。そして、年度が終了したら、納付した概算額の過不足を精算するという仕組みになっています。そのため、「前年度分の過不足の精算」と「新年度分の概算額の申告」を同時に行わなければなりません。
この手続きのことを「労働保険の年度更新」と言い、毎年6/1~7/10までに申告することになっています。
この手続きが遅れると、政府により保険料額が決定され、さらに保険料額の10%を追徴金として課される場合がありますので、ご注意ください。

年度更新により申告した労働保険料は、7/10までに納付しなければなりません。しかし、概算保険料額が40万円以上(労災保険・雇用保険どちらか一方のみの場合は20万円)の場合又は労働保険事務組合に事務処理を委託している場合、3回に分けて納付することができます。

なお、「労災保険」は全額を事業主が負担しますが、「雇用保険」は事業主と労働者双方が一定の率を負担します。(労働者負担分の雇用保険料は、毎月の給与より天引きし1年分をまとめて支払っていることになります)

 

以上が労働保険についての概要になります。詳細やご不明点については、労働基準監督署やハローワーク又は社会保険労務士等へお問い合わせください。

 

 

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